職業体験 (2)


私は松永まどか。あっ、自己紹介はもういっか
職業体験の二日目は農業。ちょうど遅場米の田植えの時期だった。
昨日は一人っきりだったけど、今日は7人。2人は男。そう考えるとやっぱり米所なんだなぁと思う。
私たちは体操着で田んぼにきた
田植え機はあるんだけど、それでは体験にならないだろうって、手で植えるらしい。
最初に植え方を教えてもらった。意外と単純だな。なるべくまっすぐに並ぶようにと注意をうけ、早速田の中に入った
ぬっぷんとした泥が足をくすぐる。これは結構気持ちいい。だけど、足を抜くのが大変だ。
汗をかいて、汗を手で拭くと顔に泥が付いちゃう。でも、そんなことはかまわない。元々そういう予定なのだ。
しばらくして、うーん、少し並びがいびつだけど、まぁ植え終わった。田んぼからでるとかなり疲れていることがわかった。結構重労働だなあ。

農家のおじさんは、休耕田を使って泥遊びをするように誘った。いくら中学生だからって子供扱いするな、と男子生徒が言うと、「子供の遊びじゃない!豊作を願う儀式なんだ!」と、妙に納得する説得で、私たちは再び田圃にはいった。
戸惑う男子生徒に向かってまずあたしが泥を投げつけた。すると男子も投げ返してきた。ほかの女子も応戦し、女子同士もぶつけ合った。
そのうち男子生徒に背中を押されてあたしはうつ伏せに倒れた。これで完全に泥んこ。髪から泥の滴が垂れるなんて初めて。やばい、むっちゃ気持ちいい。お返しに男子も泥んこにしてあげた。おかげで、一番暴れ回っていたあたしは男子に泥に沈められ、女子にたっぷりと塗られた。全身ドロドロ。まぁ、ほかの女子も誰だかわかんないくらい全身泥まみれだったけど。
隣の畑の水まき用ホースで泥を洗い流したら、みんなそのずぶ濡れのまんまお礼を言って帰っちゃった。暑かったから、すぐ乾いちゃったけど。

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