With my sister

お姉ちゃんはいつだって謎だらけだ。親のいない合間を縫っては浴室に入り、悪巧みでもしてるかのように怪しく笑う。
どういう魂胆でそんなことをしているかは知らないけど、聞こえてるって気付いてるのかな?
繰り返されるお姉ちゃんの遊技に、私は入ってみることにした。
「……フフフ……これもいいかもね……」
いつも通り聞こえてくる姉の声に少しばかりの心の高揚を感じながら、私は洗面所に入る。
棚に置かれた着替えを入れるバケットの中に服はない。
着衣? それとも裸?
いや、裸はありえない。部屋までは少し距離がある。剰えバスタオルも置いてない。
いくら家の中だからといっても、全裸で歩くのは抵抗がある。
なら、服を着たままお風呂に? ダメだ、こんなこと考えたって時間の無駄。頑張れ私!
生唾を飲み込んだ後、勢いよく浴室のドアを開いた。
その先にいたのはお姉ちゃん。でも、普通じゃない。制服を着たままボウルに入ったクリームを塗っている。私のことに気づいた途端に止めたけど。
「お、お姉ちゃん?」
「見た……な……」
一瞬だけ、鋭い眼差しが向けられた。こういう時は必ずよからぬ事を考えている。
実際、お姉ちゃんは自分の手に大量のクリームをつけて今にも私を襲おうと構えている。
まずい……絶対に作戦「ガンガンいこうぜ」になっている。
汚れたくない……私は部活から帰ったばかりで制服だ。
「お母さんとお父さんには言わないよね?」
唐突にお姉ちゃんが聞いてきた。不敵な笑みなんか浮かべて。
「……断るって言ったら?」
「クリーム責め。その後椅子に縛り付けてチョコレート責め」
なんでお姉ちゃんはこんなにドSなんだろう。
あ、そういえば本棚には世界拷問図解があったような――。
「無言ってことは……無理ってことね」
時すでに遅し。私はお姉ちゃん体を持ち上げられて浴槽に放り込まれる。
「ちょ、ちょっと待ってお姉ちゃん!ストップストップ!」
構うことなくお姉ちゃんはクリームの入ったバケツを持ち上げて、笑顔を見せる。
「いつから口答えするようになったのかしら。私の調教が足りないせい? まぁ……だったらし直すまでだけど」
そのままボウルを傾けて――。
「お願いです、待ってください!私が悪かったです。絶対に両親には言いませんから……!」
本当にヤバいと思って頼んだけれど、お姉ちゃんはそんな甘い人じゃないことを、私が誰よりも知っている。
「ごめんなさいお姉様ってその口が言い続けるまで、可愛くいたぶってあげるから」
そして、お姉ちゃんのバケツは下を向いた。その後、浴槽の中で真っ白になるまで調教された人できた。
まだ若い十四歳の女の子の受難。



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