愛の超・罰ゲーム!? 


私はあや。職業はマルチアイドルタレントで22歳の私が言うのも何だけど旬のアイドルであった。今日は4月の初めで夜にあるパーティーに招待された。
会場は東京にある高級中華料理店の2階でパーティーとは某大手テレビの1月〜3月期に放送された月曜日の21時枠でのドラマの打ち上げパーティーだった。
私は会場入りし出迎えたのは・・・
てつや「あやちゃん。ご苦労さん。今日はゆっくりしていって。」
そう私の事務所社長のてつやさんだった。同じテーブルにはてつやさんの他にてつやさんの妻のあきさん(40歳)、以下はてつやさんの事務所に所属するはるかさん(21歳)、ななさん(21歳)、まきさん(20歳)、きいさん(20歳)のドラマで一緒に競演した女優陣にドラマの主題歌を歌ってくれた新人ピアノ引き語り歌手のえりなちゃん(18歳)、それと原作者で少女漫画家のトーマス・さくらさん(20歳)がいた。さらに別のテーブルにはドラマの主役でありエンディングテーマも歌ったてっぺい君(21歳)と脇役で別の高校の生徒役のアキバ・アイドルズの5人がいた。後は大手テレビのドラマ監督の矢口氏とカメラマンなどスタッフさんが座っていた。他の共演者の方々はスケジュールの都合で来れなかったがこれは芸能界の定めで止むをえなかった。けれどイケメンのてっぺい君はいるし打ち上げにしては揃っている方だった。
てつやさんの事務所は12人が所属する小さな会社だったが良質でエースはシングルが120万枚売れ、紅白の常連になった童顔の笑顔が似合う歌手のなつみさん(28歳)でこれに私、はるか、なな、まき、きいの女優陣と童顔アイドルのえりなちゃんが「1流芸能人」と言われるほどに名声があった。また漫画家のさくらさんはギャル漫画家で「イエガネーゼ」※ギャル語で自宅がないこと状態だったがてつやさんの事務所と契約し今は新宿にワンルームマンションを借りる事になりギャル語はたまにでても女性として落ち着いてきた。一方てつやさんは42歳の小太りで童顔のいい人で愛称「てっちゃん」と呼んでも笑顔で応えてくれるほど私達をやさしく見守ってくれていた。奥さんのあきさんは35歳までグラビアアイドルをやっていてその年に「玉の輿婚約」により芸能界と愛犬までも捨てた人だった。けれど婚約者が半年後に不慮の事故で亡くなるとそのショックから4年間で体重が48kg→80kgに変貌を遂げてしまった。それでも元々童顔のあきさんなので「太ってもかわいい」人になっていてこの1月に挙式と披露宴も行っている似たもの同士(身重という意味で)の幸せなカップルだった。
私はこのパーティーに呼ばれた事は光栄に思ったが気になったことが2つあった。
1つは視聴率だった。原作の漫画はベストセラーであり、シチュはてっぺい君という高校3年生の生徒に同じ高校に通うはるか、なな、きい、まきの4人の生徒に加え担任教師役の私を含めた5人が恋をしててっぺい君をめぐる恋の戦いという「ラブコメディー」物だった。
えりなちゃんのデビュー曲でもある主題歌はシングル12万枚売れてっぺい君のエンディング曲も14万枚売れる健闘をみせさらにドラマそのものが「好評」でDVD化が決定していたが視聴率は初回18%と上々だったけどそれ以降は低迷し第4話まで10%をキープしたものの第5話〜第11話までが一桁(8〜9%)の超低空飛行で最終話こそは18%だったが平均が12%で「月9ドラマ枠」の歴史上最低の視聴率だったからであり準主役の私は責任を痛感していた。
もう1つは衣装だった。てつやさんからは「ドラマで使用した衣装で来てね。」と指示があり私達5人はその指示に従っていた。同じテーブルに座った9人の衣装はこうだった。
てつやさんが紺のスーツの上下にワイシャツときちんと赤いネクタイが締められた正装で白のソックスと黒のローファーを履いており、あきさんが白の長袖ブラウスに赤いロングスカートと白いタイツを身につけて靴も黒の革靴を履いていた。あとさくらさんは白のタキシードに白Yシャツと赤い蝶ネクタイで下は赤いブルマで後は白いストッキングとハイヒールを付けてさらに赤のバニーカチューシャで「バニーガール風」にしていたしえりなちゃんは紺色デニムの革ジャンと白Yシャツに赤いネクタイをきちんと締めて下は紺色デニムのマイクロショートパンツに白のニーソックスと赤いスニーカーを身につけていてさくらさんが「珍コスプレ」でも4人ともかわいく決まっていた。一方私は教師風で黒のリクルートスーツと白いラフなYシャツで下は黒の長めのタイトスカート(スリットなし)に肌色ストッキングと黒のローファーを身に付けていてはるか達4人は濃紺のセーラー服に白いスカーフで下が濃紺のズボンと珍しい制服で4人ともにその下に黒の12分丈レギンスにミニレースソックスと黒いローファーを身につけていた。私を含めて5人はドラマ上の衣装なので良いのだが気になったのは4人のレギンスで原作は確かズボンは同じでも下は白いソックスと黒いローファーだったと記憶しておりそれが私の心に引っかかった事であった。
〜そして18時30分〜
パーティーが始まった。まだ中華料理が運ばれてはいなかったが挨拶をすることになった。
順番はさくらさん→矢口監督→大手テレビのスタッフさんの代表としてカメラマンさん→アキバアイドルズ→てっぺい君→えりなちゃん→私達5人→てつやさん(大トリ)であった。
1つのグループもしくは個人がお立ち台に上がり挨拶をするシンプルなものであった。
挨拶は順調に進みいよいよ私達5人の順番に回り左からなな、はるか、私、きい、まきの順で一列にならんで私が代表として挨拶した。そしてスピーチも無事に終わった瞬間だった。
「えっ!?きゃ〜!!」なんと落とし穴が下に現れ当然のように私達5人は黒い大穴に落ちた。そして・・・
「どぼっ!!ズブズブ・・・」と暗闇の中の得体の知れない物体に私達が落ちて首まで埋まったのであった。最初は暗闇だったが落ちて沈んだ瞬間明かりが灯った。そしたら・・・
何と明るい灰色のプールに私達は落ちていたのであった。私は冷静に分析しこう言った。
「これぬるぬるでもすべすべしているから・・・まさか泥沼!?」
そう私達5人は泥沼に落とされた。ただ足元に底がついている感触があり底なし沼ではなかったので一安心した。この時点では5人とも美少女のような顔はきれいだった。
「みんな、大丈夫?」と私は励ました。そしたら、
なな「はい。でも深いね〜この泥んこプール。」
まき「これぬるぬるすべすべの泥ですね。」
きい「でもクリーミーで・・・ちょっと気持ちいいです。」
と前向きなコメントが帰ってきた。けれど・・・
「しくしくしく・・・え〜ん」と号泣している子が一人いた。それははるかだった。
はるか「え〜ん・・・泥んこ嫌いなのに〜」
私は驚いた。はるかちゃんは佐賀県のそれも有明海寄りの地方出身だったからである。
「えっ・・・はるかちゃん干潟で遊びまくったってことはないの?」
はるか「ひっく。確かに私はそれこそ鹿島市出身だけど・・・幼稚園の時の干潟体験でトラウマになっちゃって、小学校は干潟体験がない佐賀市にある私立の小学校に両親の車で通っていたの・・・」
「そうなんだ〜でもアレルギーはない?」と私は心配したが、
はるか「それはないよ・・・」と応えてくれた。
その会話が終わったあとだった。
「べちょ・・・」となんとはるかのきれいな顔に大きい泥んこのパイがぶつけられた・・・
4人とも「きゃ〜!!」と絶叫しそして、
はるか「うぷっ・・・え〜ん!!」と大号泣してしまった。はるかは泣いたお陰で目の周りはきれいでも顔と頭は灰色の泥んこパックしたようになった。
どうしよう、と思ったがふと左の方向に視線を向けると小さい電光掲示板があって指示が書いてあった。
「この泥沼は底はあるので歩きながらもがき進むとうまくいく。で、その前に髪の毛とほっぺたに泥んこパックしてから進むように。」
私ときいちゃんとまきちゃんは納得したが強気のななはどうも納得がいかないようだった。
なな「泥んこ嫌いのはるかちゃんには試練として泥んこパイが投げられたから大丈夫。」といって進もうとしたら、
「べちょ・・・」とななの顔にも大きな泥んこパイがぶつけられた。
なな「うぷっ」これでななも頭と顔は泥パック状態になりはるかが泥人形1号でななが泥人形2号の完成となった。
これに恐怖を感じた訳ではないが私は見えてきた泥んこの手で自分の頭とほっぺたに泥んこパックをしまきちゃんときいちゃんはお互い頭とほっぺたに泥んこの手で楽しそうに泥んこパックごっこをした。これで泥人形はこれ以上増えなかったけど私ときいとまきはほっぺたと頭が泥んこで少し恥ずかしかった。
そして少しづつではあるけど5人で泥沼を進んでいった。
「くちゅ、くちゅ・・・」と音がした。底あり沼でも首まで埋まっており泥沼をもがきながら進んだのでこの音になった。少し進み、コメントが出てきた。
なな「この泥沼動きにくいけどあたたかくて気持ちいい〜」
まき「えへ。くちゅ、くちゅっていう音とうまくマッチして気持ちいいよ〜」
きい「ぬるぬるだけどすべすべして気持ちいい〜」
「クリーミーで超気持ちいいしこの作った泥沼からはたくさんの愛情をもらっている気がする〜」
と私が言ったら3人が小さく頷いてくれた。そして・・・
はるか「えぐっ。中まで泥がたっぷり入ってきたけど・・・えへっ、気持ちいい・・・」と号泣しながらも前向きなコメントを言ってくれた。
私も含め5人とも中まで泥が入りこんでなんともいえない快感を覚えそれはおのずと笑顔に変わっていったのである。
少し泥沼を進んだところで私がこう話しだした。
「映画とかで泥んこの経験ってある?」と切り出したら
なな「私はドラマの中でセーラー服で田んぼに落ちるシーンで全身泥んこになったわ。」
まき「私は野球の青春映画で体操服とブルマでお尻からスライディングしてお尻から下は灰色の泥んこになった事があるよ〜」
きい「私は映画の中で紺色のブレザーとスカートでレンコン畑に落ちて胸から下が灰色の泥んこになっちゃった事があり赤いネクタイとYシャツは無事でもほっぺたが泥んこで監督に褒められた思い出がうれしかった〜」
「私は自然ドキュメンタリー映画の中で有明海の干潟体験をやったことがあって、レオタードだったけど終わった頃には目の周りを除いて全身灰色の泥んこで人間ムツゴロウになったねと監督に褒められた〜えへっ、私泥んこフェチだから〜」と言ったらきい、まき、ななが笑ってくれた。でも、
はるか「えぐっ。でも私はこれが始めてなの・・・」
「そうなんだ〜」と私は言った。そう、コントで泥んこにすると多方面から苦情がでるがドラマや映画では問題ない上に私の例のような「干潟体験」だと評価してくれる事が多かったという傾向があった。
そしてずぶずぶ、くちゅくちゅといい音を立てながら身動きが取りにくとももがき進んだ泥沼のゴールが見えた。そこにはてっぺい君、さくらさん、矢口監督、えりなちゃん、あきさん、てつやさんの姿があった。
そしてゴールした瞬間に、
矢口監督「ドッキリ大作戦、大成功!!」と言って笑い屋さんとスタッフさんから爆笑の声が上がった。まだ私達は首から下は泥沼に埋まっていた。
そしててっぺい君が「ご苦労様です。」と言って私達5人の顔をタオルで拭いてくれた。これで5人の顔はきれいになった。ただその直後、さくらさんが
さくら「愛の超・罰ゲームだよ!」と言ってまずさくらさんがお尻まで泥沼に入り上がった所で「愛の95cmのヒップアターック!!」と言って泥んこになったブルマのお尻で私以外の4人にお尻ふりふり攻撃をした。順番はなな→まき→きい→はるかではるかだけ少し長いお尻ふりふり攻撃だった。さくらさんのお尻は確かに大きくてやわらかくて気持ちいい。けど、これはたまったものではなく4人とも「うぷっ」となり攻撃の後で目の周りだけきれいにしてくれたけど顔は泥んこパックしたみたいになった。そして私も・・・
えりな「えへへ。あやちゃん〜お仕置きです〜」と言って私のほっぺたに絵の具用の刷毛でくすぐられながら泥んこパックされた。
「きゃ〜えりなちゃん、くすぐった〜い」でも気持ちいいので笑顔が自然とこぼれた。
矢口監督「この企画はどうやらさくらさんとてつやさんの合同ですよ〜」と言ってくれた。私が質問した。
「これ低迷した視聴率の罰ゲームですか?」そしたら、
てつや「いや。低視聴率は仕方ないしそれに好評でなかったらDVD化はされないよ。例えば違うテレビの平均20%の大ヒットドラマは不評でDVD化されないという良い例があるからね。あやちゃんを巻き込んだのは申し訳ないけどさくらちゃんが4人にご立腹みたいだからそっちの色が強いよ。」と言ってくれた。
さくら「もう〜特にはるかちゃんに言える事ですけど〜原作読んで頂けました?」
4人は小さく頷いた。けど、
さくら「だってセーラー服にパンツは私の原作通りですけどその下に黒の12分丈レギンスって前代未聞物ですよ〜それに体育の授業のシーンでも原作は体操服+ハーフパンツなのにドラマでは黒のロングスパッツというのもKY(=空気を読めない)ですし、あと私服のシーンでも原作はギャルファッションでもドラマではきいちゃんとかまきちゃんとかななちゃんはデニムのホットパンツ+黒の10分丈レギンスではるかちゃんに至ってはいっつもデニムのハーフパンツに黒の12分丈レギンスという超だっさいファッションでその原作を逸脱するわがままは正にKYだしむかつきます〜」とご立腹だった。
4人は反省したみたいで凹んでいた。
てつや「確かにさくらちゃんのいう通りで原作に相当わがままをつけていたみたいですね。気持ちはわかるけどきいちゃん、まきちゃん、ななちゃん特にはるかちゃんはスタイルが良いから10代の女の子達がスタイルに自信がないせいかみんな悪い真似をしちゃうんだ。『はるかちゃんがやっていたから私も〜』っていうふうにね。現にレギンスをはやらせた2大モデルでもレギンスは悪影響を考慮して公の場では履いていないしなによりうちの事務所はさくらちゃんとあやちゃんを始めえりなちゃん、なつみちゃんも一切履いていないからもしホットパンツを履く時でもレギンスは履かずに健康的な太ももをみせてかわいくみせているから今度からそうして。」
4人「はい・・・でもこのレギンス高かったのに〜」
てつや「多分台無しになったと思うよ。けれど君達はアイドルだからもっと自信をもってほしいという意味で罰ゲームを実行したんだ。」といっててつやさんははるかちゃんのほっぺたに泥を刷毛でぺたぺたと塗っていた。
はるか「いや〜ん。くすぐった〜い。」
てつや「はるかちゃん。泥んこは女優という道には必要不可欠であの浜崎あゆみちゃんも全身泥んこのCMで世間をうっとりさせたから泥んこ大好きになって欲しいんだ。」
だからあの泥んこパイがはるかちゃん目掛けて投げられたのか、と私は思った。
はるか「はい・・・えへっ。くすぐったくて気持ちいいです。」と自然と笑顔になった。
そしたら私達のあこがれでもある歌手のなつみさんが来た。ロッカー風の衣装で下はもちろんデニムのマイクロショートパンツで生足というお尻が見えそうなくらいセクシーでかわいらしさもある見本となるファッションだった。
なつみ「君達、私を見れば分かるけどもっと自信を持って。そうすれば大成できるから、ねっえりなちゃん!!」
えりな「なつみさん素敵です〜」そのなつみさんの言葉に5人ともうっとりとした。
そして私達は救出されたがもう5人とも灰色のどろだるまで中までクリーミーな泥につつまれた。
写真撮影をしようとしたとき私が質問した。
「この泥沼は誰が考えたのですか?」そしたら、
てつや「僕だよ。泥んこパック用の泥だからぬるぬるでもすべすべでお肌に良い僕の愛情入り泥んこパックだよ」と満面の笑みで応えてくれた。
そして私がまず、
「えへっ、えりなちゃんお返しだよ〜」
えりな「きゃ〜、あやちゃんくすぐったいです〜」とえりなちゃんのほっぺたに泥んこパックしてあげた。
てつや「こらこら。後輩をいじめちゃだめだしそういうのは僕にやりなさい(笑)」
あき、なつみ「私にも気持ちよさそうだからやって〜」といってくれたのでまきちゃんがあきさんに、きいちゃんがなつみさんに泥んこパックしてあげた。そして・・・
「もう、てっちゃんたら。大好きだよ〜」と言っててつやさんにも泥んこパックしてあげた
てつやさんは怒ることもなく笑顔を見せてくれた。
これでなつみさん、えりなちゃん、あきさん、てつやさんがかわいい洋服は汚れずにほっぺただけ泥んこパックして余計に可愛らしくみえた。そして記念撮影となった。
結局この「愛の超・罰ゲーム!?」は深夜の番組で放送されさらにDVDにも特典メイキング映像として収録され好評だった。あと衣装だけどあれだけどろだるまになったけどリクルートスーツやセーラー服とズボンは丸洗いOKだったのできれいになり私を含めて記念に残しておいた。レギンスは台無しになり下着も台無しだったけどてつやさんが下着については購入してくれたのであった。そして1年後・・・あんなに泥んこ嫌いだったはるかちゃんも泥んこエステのCMで全身茶色の泥んこになって演技をして絶賛された。そしててっちゃんの会社も私も大成の道を歩む事とめでたくなったのである・・・
〜FIN〜

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