アイドルの楽しみ 8


駅で注目されたのがまずかった。
あるトーク番組で、ずぶ濡れの女の子と一緒にいたことがばれてしまった。
眼鏡かけてエクステ外して変装していたつもりなんだけど。もちろん私は否定。
「そんな、いくら私がずぶ濡れシーンが多いからって。その時間あたしは家で爆睡してました(笑)。久しぶりのオフだったんで。」
別にバレてもいいけど。事務所的に?まずいでしょ?

今日はクイズ番組の収録。
○×で正解だと思う方に突っ込んで、正解ならクッション、間違いなら泥か粉か・・・すぐにでも間違いたいけど、あり得ないような間違いはできないし。
1問目、て、常識問題やし。
2問目、常識問題ながらつまづきかける。いや、マジで。
3問目〜6問目、わかる範囲。
7問目。わからない。素でわからない。マネージャーは小さく○を示していた。ここは一発・・・

見事、全身泥まみれのアイドルが一人できあがった。


収録終了後マネージャーと話をした。
「なんで間違いの方に行ったんだ?俺答え教えたろ?」
「いや〜、画的にオイシイかな、と。」
「芸人じゃないんだから気にすることはないのに。」
「え?グラドルなんて、芸人ですよ?」
「・・・え?」
実際最近はグラビアアイドルなんて使い捨てだし、生き残りといえばどこまでヨゴレ仕事ができるかと、どこまで喋りが使えるかにかかるわけで、取れるところでポイント押さえないと生きてはいけない。これは芸能界に限らないけどね。
そんな風にマネージャーに言ったら、
「へぇ〜考えてないようで結構計算してたんだな」
失礼な。少なくともテメーよりは考えてるわ!とは言えないが。
で、泥まみれのまままた次の回に。今度は粉だ。短い芸能界人生。粉とパイだけは食らっとかないと。
4問目に音楽の問題がでて、見事に真っ白に。顔なんか酷いよな。でも、この酷い顔は全国で見られている。見られていることに私は興奮を覚える。これが今後の人生を左右することになる。

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